中国大型ロケットの残骸、来週初めに地球落下か 無制御状態

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実験モジュール「問天」を搭載した大型ロケット「長征5号B」は24日に打ち上げられた/Li Gang/Xinhua/Getty Images

実験モジュール「問天」を搭載した大型ロケット「長征5号B」は24日に打ち上げられた/Li Gang/Xinhua/Getty Images

香港(CNN) 今月25日に中国の宇宙ステーションに新モジュールを届けた大型ロケット「長征5号B」の残骸が、来週初めに地球に落下する可能性があることが分かった。このロケットを追跡している米宇宙コマンドが明らかにした。

実験モジュール「問天」を搭載した重さ23トンの長征5号Bは24日午後2時22分、中国の海南島から打ち上げられた。その後、モジュールは中国の宇宙ステーションとのドッキングに成功した。

ミッション完遂後、長征5号Bは無制御状態で地球へ落下し始めた。落下する地点は不明。中国が自国のロケットステージから発生した宇宙ごみを適切に処理していないと批判されるのは3度目となる。

カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のマイケル・バイヤーズ教授は「これは重さ20トンの金属の物体だ。大気圏突入時に分解するが、かなり大きな破片を含め、多数の破片が地表に到達するだろう」と指摘した。

バイヤーズ氏の説明では、宇宙ごみが人間に及ぼす危険は極めて小さいものの、大型の破片が居住地域に落下すれば被害を起こしうる。

バイヤーズ氏は「今は無制御でランダムに再突入させるのではなく、制御された状態で再突入させる(通常は海洋の遠く離れた場所に着水させる)ことができる技術やミッション設計が存在するため、こうしたリスクは完全に回避可能だ」としている。

欧州宇宙機関(ESA)宇宙ごみ部門の責任者ホルガー・クラグ氏によると、国際的に最善とされる方法は、被害を出すリスクが高い場合には必ず、海洋の遠く離れた場所めがけて制御落下を行うことだという。

クラグ氏はまた、長征5号Bの再突入地点は南緯41度から北緯41度の間になると指摘した。

米宇宙コマンドの報道官によると、同コマンドは長征5号Bの地球への落下を追跡する予定。気象状況の変化を考慮すると、正確な突入地点は「再突入の数時間前まで特定できない」ものの、再突入の時期は8月1日ごろになる見通しだという。

中国は昨年、同様のロケットに別のモジュールを搭載して打ち上げた際、宇宙ごみへの対応を強く批判された。ロケットの残骸は打ち上げから10日後、インド洋のモルディブ付近に落下。米航空宇宙局(NASA)は当時、中国が「責任ある基準」を満たしていないと指摘していた。

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