イランが映画祭の中止を命令 理由は「不適切なポスター」
カイロ(CNN) イランで開催される予定だった映画祭が、「不適切なポスター」を理由に中止に追い込まれた。イラン国営通信(IRNA)が22日に伝えた。
中止になったのは、イラン短編映画協会(ISFA)の第13回映画祭。ポスターには、髪を隠す布「ヒジャブ(ヘジャブ)」をかぶらない女性の写真が使われていた。
IRNAによると、文化・イスラム指導省の報道官は声明で、写真の使用が違法と判断されたと発表した。
仏AFP通信によると、写真は1982年のイラン映画「Death of Yazdgerd」の一場面を取った宣伝ポスターで、主演女優スーザン・タスリミさんの顔が写っている。
SNSの政府系チャンネルでは、式典でヒジャブを着けない女性がこのポスターを公開する映像が拡散した。式典が開催された時期は明らかでない。
同報道官は、この作品自体が製作されたのはヒジャブ着用が義務化される前だったことを認めたうえで、ヒジャブ拒否が問題になっている現状でこのポスターを出すことは、社会の利益に反するとの見解を説明した。
イランでは昨年9月、髪を覆う布「ヒジャブ」の着用が不適切だとして風紀警察に拘束された女性が死亡。これをきっかけに抗議デモが全土に拡大し、首都テヘランの街から風紀警察が事実上、姿を消したと指摘されていた。しかし国営メディアは今月16日、風紀警察が女性の服装規定違反を取り締まるパトロールを再開すると報じた。