イラン支援のロシア無人機工場、来年初めにフル稼働か 米
(CNN) 米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官は9日、ロシアがイランの支援で建設中の攻撃ドローン(無人機)製造工場について、来年初めまでにフル稼働する可能性があるとの見方を示した。
米国の見方では、イランは工場の資材やドローンの完成品をカスピ海経由で輸送しているとみられる。ロシアは昨年夏以降、ドローン数百機をイランから購入し、ウクライナでの戦争に広範に投入している。
カービー氏は以前CNNの取材に、イランがドローンや弾丸、砲弾の輸送にカスピ海ルートを使っていることを確認。船の動きを隠すために追跡データ送信装置を切っていることが多いと指摘していた。
米国が9日に公開した地図には、イランが北部アミラバドからロシア南部マハチカラへの輸送に使っているとみられるルートが示されている。
イランは資材やドローンの完成品をカスピ海経由でロシアに輸送しているとみられる/US Government
カービー氏は声明で「ロシアはここ数週間、イランのUAV(無人航空機)を使用してキーウを攻撃し、ウクライナ国民を恐怖に陥れてきた。ロシアとイランの軍事協力関係は深化しているように見える」と指摘した。
米国はまた、イランがロシアのアラブガ経済特別区内でのドローン工場建設に使われる資材を輸送しているとの見方を示した。同特別区はロシアの首都モスクワの東約960キロに位置する。米国はドローン製造工場とされる施設の建設予定地をとらえた4月3日撮影の衛星画像も公開している。
ドローン製造工場とされる施設の建設予定地をとらえた衛星画像/Maxar/US Government
米国はイランによるドローン用物資の入手を阻止するため厳格な輸出管理や制裁を導入しているものの、これまでに浮上した証拠からは、イランが商業的に入手可能な技術を多数確保していることがうかがえる。この中には米国企業が製造した部品も含まれる。