スキー・ジャンプ小林陵侑が291mの「新記録」、国際スキー連盟は認定せず
(CNN) ノルディックスキー・ジャンプ男子の小林陵侑(27)が24日、世界記録を40メートル近く上回るジャンプを決めた。しかし国際スキー連盟(FIS)は、競技条件が規定に沿っていなかったとして、この記録を認定しないと発表した。
レッドブルによると、小林はアイスランド北部アークレイリのフリィザルフィヤットルで、自然の中に特設されたジャンプ台を滑降して291メートルの記録を達成。レッドブルは「世界新記録を樹立」と発表している。
小林はおよそ10秒間宙を飛び、鮮やかな着地を決めた。
23日に挑んだジャンプでも256、259、282メートルを記録していた。
FISは小林の記録について、「非常に特殊な条件下におけるアスリートの並外れた実績の紹介」と位置付け、「開始日もプロジェクトも1人の選手に合わせて調整されていることから、FISスキージャンプ・ワールドカップとは比較できない」と発表した。
さらに、「他のジャンプと比較して公式記録と認定されるためには、FIS公認の距離測定に基づき、FIS公認のスキー・ジャンプ場で競技を行わなければならない」と説明。競技で使用するスキーの長さやウェアの重さなどにも規定があり、FIS公認の測定方法で検査する必要があるとした。
その上で、「小林陵侑のアイスランドでのジャンプは競技条件下で行われておらず、FISの規定に沿っていない」と述べ、小林には次回FISワールドカップで公式世界記録を期待するとしている。
FIS認定のスキー・ジャンプ男子世界記録は、2017年に253.5メートルを記録したオーストリアのシュテファン・クラフトが保持している。