マイケル・ファスベンダー、ボンド役オーディションでダニエル・クレイグ推していた
(CNN) 俳優のマイケル・ファスベンダーはかつて、人気スパイ映画シリーズ「007」のオーディションで、主人公ジェームズ・ボンドの役を射止めるチャンスを棒に振っていたようだ。自分が役を得るために臨んだオーディションで、あろうことか別の俳優、ダニエル・クレイグを推薦してしまったのだという。
ファスベンダーは13日配信のポッドキャスト番組で、当時の顛末(てんまつ)を振り返った。それによると、オーディションの現場でシリーズのプロデューサー、バーバラ・ブロッコリと言葉を交わした際、自分からクレイグの名を口にしたという。
「なぜ彼を売り込んでいたのか分からない。自分を売り込まなくてはいけないのに」。ファスベンダーは冗談交じりで番組司会者にそう語ったが、実際には自分が「主役候補」に選ばれるとは全く思っていなかったと打ち明けた。
クレイグはその後、2006年の「007/カジノ・ロワイヤル」でボンド役デビューを果たし、5作品を通じてシリーズの顔になった。
「明らかにダニエルは素晴らしい仕事をした」と、ファスベンダーは称賛。シリーズ史上最も成功したボンド役との見方も示唆した。
また元来オーディションはあまり得意な方ではないことを認め、ボンド役のオーディションも「ひどい出来だった」と振り返った。
他にうまくいかなかったオーディションの経験として、ファスベンダーは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を挙げた。この時は途中で道に迷い、1時間遅刻。「まともな精神状態になく」、オーディションも「見るに堪えない」ものだったという。
最終的に主役に選ばれたのは演劇学校の2年後輩、トム・ハーディーだった。
将来ボンド役を演じる可能性があると思うかどうか問われると、「もう終わったと思う」と悲観する様子を見せた。
一方で次のボンド役に誰を推すかとの問いには、共演経験があり、ドラマ「ブリジャートン家」に出演したレゲジャン・ペイジが「最有力候補だ」と答えた。