(CNN) オランダの首都アムステルダムにあるアンネ・フランク像が「ガザ」との落書きで汚損され、市長から非難の声が上がっている。
一連の写真には、像の台座に赤い文字で落書きされた「ガザ」の文字が見える。この像は潜伏生活を強いられる前にフランク一家が暮らしていた場所付近の公園に建てられたもので、スーツケースを持っていると怪しまれるからと家族に心配され、服を重ね着したアンネの姿をかたどっている。
フェムケ・ハルセマ市長は記念碑の汚損を強く非難。「アンネの貴重な像を汚すことで助かるパレスチナ人はいない」と述べた。
ハルセマ氏はインスタグラムへの投稿で、「この少女は15歳の時にナチスの手でむごたらしく殺された。最も困難な状況での人間性、優しさについて私たちやアムステルダムに毎日思い起こさせてくれる存在だ」ともつづった。
「誰の行為であれ、恥を知れと言いたい。この行為に関して言い訳は存在しない」(ハルセマ氏)
アムステルダム警察は事件への捜査を開始した。現時点で逮捕者は出ていない。
警察報道官は10日、CNNの取材に、警察は9日午後に汚損行為の報告を受け取ったと説明。「警官らが像のところに行って落書きを確認し、捜査を開始した」と明らかにした。
アンネの日記は多くの若者がホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の恐怖について知るきっかけになることが多い。1944年、アムステルダム市内の隠れ家に潜伏していたアンネや他のユダヤ人7人は拘束された。
8人は2年近くにわたり、アムステルダムの運河沿いにある倉庫の上の隠れ家に身を潜めていた。拘束後に強制連行され、アンネはベルゲン・ベルゼン収容所で15歳の若さで亡くなった。