超加工食品の摂取、10%増えるごとに早死にリスクが3%増 新研究
超加工食品が好まれる理由の解明に取り組む研究者ら
(CNN) 食生活に超加工食品を多く取り入れるほど、あらゆる原因による早死にのリスクが高まることがわかった。24万人超を対象とした研究のメタ分析で明らかになった。
研究は早死にしやすい年齢である30~69歳の間に、超加工食品の摂取量を増やすことで死亡するリスクを調べている。ブラジルのサンパウロ大学公衆衛生学部の名誉教授で、研究の共著者であるカルロス・アウグスト・モンテイロ氏によると、超加工食品から摂取する総カロリーが10%増加するごとに、早死にリスクは3%近く上昇することが判明した。
モンテイロ氏の定義によれば、超加工食品には自然食品がほとんど含まれていないか、全く含まれていない。代わりに、「化学的に加工された安価な原材料」から製造され、「食べやすく、口当たりがよく、習慣性を持たせるために合成添加物が使用されている」ことが多い。
超加工食品の摂取量を少量増やすことと健康に与える悪影響との関連性を明らかにしたのはこの研究が初めてではない。
2024年2月に発表された研究では、超加工食品の摂取量が多い人は心血管疾患による死亡リスクと一般的な精神疾患のリスクが50%高まるという「強力な」証拠が示された。
この研究では、摂取量の増加を、1日あたり約10%多く摂取することと定義している。
同年5月に発表された研究では、健康的な食事に超加工食品を10%追加するだけで、認知機能低下や脳卒中のリスクが高まる可能性があることが示された。
米国では、供給される食料のうち70%が超加工食品と推定されている。
アメリカン・ジャーナル・オブ・プリベンティブ・メディシン誌に掲載された今回の研究では、超加工食品の消費量に応じて3段階に分類した8カ国で、どれだけの死亡を防ぐことができるかを推定した。
ブラジル・リオデジャネイロのオズワルドクルス財団の研究員で、研究の筆頭著者であるエドゥアルド・アウグスト・フェルナンデス・ニルソン氏は声明で、「超加工食品の摂取による早死にの予防可能性は、消費量が少ない国で4%、消費量が多い国でほぼ14%に及びうる」と述べた。
ただし、この研究では死亡が「超加工食品の摂取によって引き起こされた」かどうかは断定できていないことに注意することが重要だ。「この研究の手法では、それを断定することはできない」と、英オックスフォード大学の食事と肥満を専門とする准教授で栄養学者のネリス・アストバリー氏は指摘する。同氏はこの研究には関与していない。