今年3月に死去した英国の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング氏の博士論文や愛用の車いすなど、貴重な遺品が競売にかけられることになった。
英競売大手クリスティーズが今月31日から11月8日まで、インターネット上でオークションを開く。
中でも注目されるのは、ホーキング氏が1965年に英ケンブリッジ大学で執筆した博士論文。現在残っている5部のうち1部が出品され、10万~15万ポンド(約1500万~2200万円)の値が付く見通しだ。表紙には手書きで、同氏自身の著作であることが記されている。
「膨張する宇宙の特性について」と題したこの論文は昨年、同大学がインターネット上で公開し、アクセスが殺到して話題になった。
ホーキング氏が80年代末から90年代初めにかけて愛用していた車いすも出品される。
1980年代の終わりから90年代初めに使われた車いす/Christie's
車いすの落札額は、スティーブン・ホーキング財団と運動ニューロン疾患協会に寄付されるという。
ホーキング氏が生前、米人気アニメ「ザ・シンプソンズ」に登場した時の台本や、同氏のジャケット、メダルのコレクションも競売にかけられる。
ホーキング氏が案内役を務めたドキュメンタリー番組のグッズであるボマージャケット/Christie's
本人の母印が入った著書「ホーキング、宇宙を語る」の落札価格は、2000~3000ポンドと予想されている。
ホーキング氏の長女、ルーシーさんは「父の人生と功績をたどる遺品の整理に、クリスティーズの協力が得られてうれしい」と話した。
オークションにはニュートンやダーウィン、アインシュタインの論文も出品され、全品目がロンドン市内で公開される予定だ。