トランプ米大統領、SNS狙い撃ちの大統領令に署名
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は28日、ソーシャルメディアを狙い撃ちにする大統領令に署名した。この数日前、ツイッターはトランプ大統領の投稿に、初めて「誤解を招く可能性がある」との注釈を付けていた。
署名を前にトランプ大統領は、「言論の自由を米国史上最大級の危機から守る」と力説、「数少ない一握りのソーシャルメディア独占企業が、米国における公的および私的コミュニケーションの圧倒的多数をコントロールしている」「彼らは私人と公衆の間のいかなる形態のコミュニケーションについても、実質的に検閲、制限、編集、形成、隠蔽(いんぺい)、改ざんができる絶大な権限を握ってきた」と主張した。
ツイッターは26日に、郵便投票が不正投票の横行につながるなどと主張したトランプ大統領の2件のツイートについて、誤った情報や事実の裏付けのない主張と判断した場合に表示するラベルを付けていた。
大統領令は、「連邦通信品位法」の中でプラットフォームを運営するウェブサイトの免責について規定した第230条が照準。同項による免責は、インターネットプラットフォームが「善意」のもとで運営されるという前提に基づくと論じ、ソーシャルメディア企業はそれを行っていないと断じた。
その上で、「表現の自由を重視してきた国家において、米国民がインターネット上でアクセスして伝達する発言を、限られた数のオンラインプラットフォームが手摘みすることがあってはならない」と述べ、「大規模で強大なソーシャルメディア企業が、自分たちとは異なる意見を検閲することは、危険な権力の行使に当たる」とした。
ツイッターについては、「特定のツイート」に対して「選択的に」警告ラベルを適用しているとして名指しで非難。グーグルは中国政府の市民監視に手を貸し、ツイッターは中国のプロパガンダを拡散させ、フェイスブックは中国の広告から利益を得ているとして批判している。
大統領令では、企業が第230条の善意条項に違反した場合、商務省が連邦通信委員会(FCC)に対して新たな規制を求めることができるとした。これにより、ネット企業を相手取った裁判を起こすことが容易になる可能性がある。