手術中の医師がズームで「出廷」、裁判延期に 米加州
(CNN) 米カリフォルニア州でこのほど、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」で裁判に出廷した医師が同時に手術を行っていることがわかり、裁判が延期となる出来事があった。
形成外科医のスコット・グリーン医師は2月25日、カリフォルニア州サクラメント上位裁判所の公判に交通違反をめぐってズームを通じて出廷。医師はその際、手術着や手袋、マスク、手術帽を着用していた。
裁判所書記官はグリーン医師に対して、「出廷できますか。手術室にいるようですが」と尋ねた。
医師は「手術室にいます。はい、出廷できます。どうぞ進めて」と答えた。
背後で医療機器の電子音が聞こえるなか、グリーン医師は映像の配信中も医療器具を操っている様子が見て取れた。医師は、近くにもう一人医師がいて出廷中は手術を手伝ってくれると説明した。
患者の手術を行いながらオンラインでの裁判に参加するスコット・グリーン医師/Sacramento Superior Court/Sacramento Bee
しかし、医師が手術中であることを確認すると、判事は裁判の日程変更を決定した。
判事は「わたしが間違っていなければ、被告は手術室の中にいて患者への治療を提供している最中にみえる」と指摘。公判中に手術を行っているならば、患者の安全について安心できないと語った。
カリフォルニア州の医療当局はCNNの取材に対し、今回の事案について調査を行っていると明らかにした。
グリーン医師の次の出廷は3月4日に予定されている。
ズームを利用した裁判では、テキサス州の裁判所に出廷した弁護士が猫の姿で画面に登場する出来事もあった。