米インテル、中国SNS上で謝罪 新彊めぐる書簡への非難受け
香港(CNN) 米インテルは23日、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に声明を投稿し、中国の供給業者向けに出した指示について謝罪した。同国西部の新疆ウイグル自治区から製品や労働力を調達しないよう告げる内容のこの指示に対しては、国営メディアやネット上で激しい批判の声が巻き起こっていた。
インテルは今月、供給業者に宛てた書簡の中で、自社のサプライチェーン(供給網)について、使用もしくは調達するあらゆる労働力、物品、サービスが新彊由来ではないと確認することを義務付けると述べていた。理由として米政府による規制と、投資家や顧客から疑問の声が上がっていることを挙げた。
中国側は書簡に対して激しく反発。中国共産党機関紙の人民日報は書簡の内容を「ばかげている」とし、「恩をあだで返している」とインテルを非難した。
インテル製品のブランド大使を務めていたポップスターの王俊凱さんは22日、同社との関係をすべて打ち切ったと発表。「国益は他のすべてに優先する」との見解を示した。
こうした動きを受け、インテルはウェイボーに謝罪の声明を投稿。米国の法令順守が当初の意図だったとしながらも、結果として中国国内のパートナーの間に多くの疑問や懸念を引き起こしたと述べた。そのうえで深い後悔の念を表明した。
複数の人権団体が繰り返し糾弾しているところによれば、中国政府は新疆でウイグルをはじめとするイスラム教徒の少数派を「再教育」施設に収容し、強制労働に従事させている。その一部はハイテクや小売業界の世界的なサプライチェーンに直接的もしくは間接的に組み込まれているという。
欧米は新疆でのこうした問題をめぐり制裁措置を発動しているが、中国政府はこれに反論。当該の施設は「職業訓練センター」であり、貧困や宗教的過激主義と戦う目的で設置されていると主張する。
中国外務省の趙立堅報道官は23日、強制労働をはじめとする新彊にまつわる主張は「米国の反中勢力によるうそ」だと強調。企業各社には事実を尊重したうえで、正しいことと誤りとを区別してほしいと述べた。