「ホーム・ポン」の試作機、3300万円で落札
(CNN) 米アタリの家庭用ゲーム機「ホーム・ポン」の試作機がこのほど、オークションに出品され、27万910ドル(約3300万円)で落札された。RRオークションが明らかにした。
試作機には手彫りの木材が使われた。つまむタイプのコントローラーや、赤い「スタートボタン」、内蔵式のスピーカーのための金属製の格子があり、回路基板には「ポン」の集積回路が載っている。これは、アタリによって製造されたただ2つの試作機のうちのひとつ。
今回の試作機は、このゲームの生みの親であるアラン・アルコーンさんのコレクションから出品された。
アタリは1972年にアーケード版のポンを発表。家庭用ゲーム機のホーム・ポンはその数年後に誕生した。
アルコーンさんは、自身が書いて署名した来歴に関する書面で、ホーム・ポンの試作機がなぜ製造されたのかについて説明している。
アルコーンさんによれば、アタリは75年にコイン投入式の娯楽事業で確固たる地位を築き、家庭用ゲーム機の製造に乗り出した。消費者が購入できる価格で製品を製造できるようにするため、ポンを1個の集積回路の上で動かす必要があったという。アルコーンさんのチームはプラスチックで家庭用ゲーム機をどのように製造するのか詳細をつめていたが、アルコーンさんは木製の試作機を使って、それがどのようなものになるか顧客に実演して見せたという。
ホーム・ポンは家庭用ゲーム機の時代を切り開く先駆けとなった。同機が文化に与えた影響の大きさから、その1台はスミソニアン博物館の収集品に加えられている。