ベトナム、感染確認のダナンから観光客ら8万人退避へ
(CNN) ベトナム政府は27日、新型コロナウイルスの感染者が100日ぶりに確認された中部ダナンから、国内観光客ら8万人を退避させる措置を発表した。
同市では25日に海外渡航歴のない男性(57)、26日にはさらに2人の感染が確認された。グエン・スアン・フック首相はこれを受け、接触追跡の強化と同市全域での検査実施を指示した。
ダナンは国内外から多くの観光客が訪れるリゾート地。27日の発表によると、4日間で8万人が退避する。
同市内には25日以降、1メートルの対人距離を確保し、公共の場でマスクを着用するなどのルールが再導入された。
首相はさらに、市内3カ所の病院周辺の住民は28日以降、外出しないよう指示した。祭や大規模イベント、宗教行事などの集まりは禁止、美容院や酒場など不要不急とされる店舗の営業は停止される。
観光施設や飲食店、スポーツ施設などには、従業員への防護具配布や来訪者全員に対する検温などの感染対策を義務付ける。学校の授業は継続するが、クラスの人数を制限する。
ベトナムは2月12日に7人の感染者が見つかった時点でいち早くハノイ北郊に都市封鎖(ロックダウン)を導入。翌日までに16人の感染が確認されたが、その後3週間、新規感染者の報告はなかった。3月に海外からの帰国者から第2波が広がったものの、接触者の隔離や3週間に及ぶ全国規模のロックダウンなどを経て、4月末から国内の制限を解除していた。
入国制限は続いているが、先月末には日本のビジネス関係者ら400人の渡航を受け入れた。
米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、同国でこれまでに見つかった感染者は計420人で、死者は確認されていない。