マスク拒む人に「中指」、コロナ問題の広告が話題 ベルリン
(CNN) ドイツの首都ベルリンの観光当局がこのほど、新型コロナウイルスの感染拡大をテーマにした新たなキャンペーン広告を発表した。広告の写真では花柄のマスクを着けた高齢の女性がこちらに向かって目を見開きながら中指を突き立て、マスク着用を拒む人たちを非難するメッセージを送っている。
広告には女性の写真に添えて、マスクをしない人たちを激しくののしる文言が太文字で大きく記してある。さらにその下に小さく細い文字で「私たちはコロナのルールを守る」と書かれている。
9月に発表されたこの広告は現在広く認知されるようになり、ベルリン市民の間で物議を醸している。キャンペーン自体は来年3月まで半年間継続する予定で、公共交通機関などにこの広告が掲示されるようになる。
広告を手掛けたベルリン観光当局の広報担当者はCNNの取材に対し、当該の写真の使用について、人々に衝撃を与えて注意喚起を促す狙いがあったと説明。「大半のベルリン市民はルールを守っているが、そうではない人も少数ながら存在する。彼らは高齢者やリスクの高い人々の命を危険にさらしている。この問題に注目してもらいたかった」と述べた。
ベルリン市民が率直な性格で知られている点を念頭に置き、わかりやすい言い回しを選択したとも明かした。この街ならではのユーモア感覚も取り入れたかったとしている。
現在のところ、広告に対する反応は良好なものが大半を占める。不満の声を寄せる人もいるが、そのほとんどは医療上の理由からマスクを着用できない人たちからのものだという。
ベルリンでは買い物中や公共交通機関を利用する際のマスク着用が義務付けられている。第2波による感染者増加が懸念される中、ドイツ政府は夜間の外出禁止令の施行も検討している。
前出の広報担当者は今後登場する広告の内容も示唆。「もっとユーモラスになる」「高齢の女性は出ないが、笑いを誘うものになるはず」と明かした。