ハワイ州知事、渡航自粛を呼び掛け 感染者急増で
(CNN) 米ハワイ州のイゲ知事は23日、新型コロナウイルスの感染者と入院患者が急増していることを受け、州外からの観光客らに渡航を自粛するよう呼び掛けた。
イゲ氏は観光客らに向け、「今は旅行に適したタイミングではない」「ここへ来ても、期待されるようないつもの旅は楽しめないだろう」と警告。感染対策の行動制限が再導入され、レンタカーが不足し、利用できる飲食店なども限られている状況だと説明した。
州都ホノルルのブランジャルディ市長は同日、コンベンションやコンサートなどの大規模なイベントを4週間中止すると発表。屋内の集まりは10人、屋外では25人まで、レストランの入店者は定員の50%までとする緊急命令を出した。
同氏はツイッターを通し、感染者が激増して医療体制が限界を超えていると指摘した。
感染力の強いデルタ変異株の拡散で、州内の新規感染者は直近1週間の1日当たり平均が約700人、合計人数は7月初めの10倍に及んでいる。入院患者はこの2週間で倍増した。
ただし死者は少数にとどまっている。同州ではワクチン接種を完了した人の割合が全米平均を上回り、成人の66%前後に達している影響と考えられる。
ハワイ州は最近まで、渡航者全員に10日間の隔離措置または検査での陰性証明の提示を義務付けていた。先月からはワクチン接種を完了した人への制限が緩和され始めたが、観光業に依存する経済への打撃は大きく、失業率は全米でも最悪レベルとなった。
イゲ氏はこうした問題を認めたうえで、今はひっ迫した医療体制を守る必要があると訴えた。