台湾総統、域内開発のワクチンを接種 支持姿勢をアピール
(CNN) 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は23日、域内で開発された新型コロナウイルスワクチン「メディゲン」の接種を率先して受け、同ワクチンを支持する姿勢をアピールした。
ワクチンは台湾のメディゲン・ワクチン・バイオロジクス(高端疫苗生物製剤)が開発し、当局が先月、20歳以上を対象に緊急使用許可を出していた。28日以上の間隔を置いて2回接種する。
臨床試験の最終段階にあたる第3相試験はまだ完了せず、有効性のデータも公表されていない。ただし同社の幹部が5月、CNNに語ったところによると、第2相試験は対象者を通常の数百人から3800人の規模に拡大して実施した。
チャールズ・チェン最高経営責任者(CEO)によれば、2回の接種を完了した対象者の99.8%に新型ウイルスへの抗体ができたという。
台湾の疾病対策当局は先月19日、重大な副反応の恐れはないとの見解を示した。
ロイター通信によると、当局はメディゲン500万回分を発注し、すでに70万人が接種を予約している。
蔡氏は台北市内の病院でワクチンを打った後、フェイスブックへの投稿で痛みはないと報告し、接種した医療従事者への感謝を表明。「ワクチンを打てばあなた自身や家族、医療スタッフを守ることができる」「ウイルスに対する台湾の集団防衛を強化するために、各自が務めを果たそう」と接種を呼び掛けた。
台湾は厳しい国境管理や警戒措置により、感染拡大をほぼ抑え込むことに成功してきた。しかしワクチンの調達は難航し、これまでに輸入できたのは約1000万回分。1回目の接種を優先しているため、2回完了した人は人口の5%にも達していない。