米FDA、ファイザー製ワクチンを正式承認 接種義務化の進展に道
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は23日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンを正式承認した。対象は16歳以上となる。同種のワクチンでFDAが正式承認するのは初で、接種の義務化がさらに進むと見込まれる。
FDAによると、ワクチンは「コミナティ」の名称で販売される。米国内では昨年12月中旬に16歳以上を対象とした同ワクチンの緊急使用許可(EUA)が既に出ており、5月には12歳以上に対象が広がっている。
EUAによるワクチン入手は引き続き可能となる。12~15歳の子どもへの接種や、一定の免疫不能状態の人々に対する3回目の接種がそれに当たる。
米国でワクチン接種を完了した1億7000万人あまりのうち、ファイザー製ワクチンを打った人は9200万人あまりとなっている。
FDAのウッドコック長官代行は同日の会見で、今回の正式承認が米国の新型コロナに対する闘いで「転換点」になると語った。また、正式承認のワクチンとEUAのワクチンの組成は同じで、交互に使用可能だとも説明した。
マーシー医務総監は22日にCNNの番組に出演し、正式承認は個々人の接種を後押しするとともに、企業や大学での接種義務化の計画をさらに前進させるものになるだろうと語った。
FDAはファイザー製ワクチンの申請に優先審査を認め、会社側の分析に加えてFDAも自ら分析を行った。FDA生物製剤評価研究センターのピーター・マークス所長によると、承認はファイザーの申請完了から97日で行われ、この規模の申請では通常かかる日数の約40%ですんだという。
EUAの出ている米モデルナのワクチンも18歳以上を対象とした正式承認の申請を始めている。米ジョンソン・エンド・ジョンソンは正式承認をまだ申請していない。
ファイザーは5~11歳の子どもに対するワクチンの臨床試験データを9月末までにそろえる予定。2~5歳の子どものデータもその後間もなく入手可能としている。モデルナやジョンソン・エンド・ジョンソンも子どもに対する使用への研究を進めている。
FDAは16歳以上への使用は正式承認したものの、EUAの対象よりも若い12歳未満への「承認外」の使用が認められているわけではないと強調。接種量や安全性に関するデータがそろっておらず、使用は推奨しないと述べた。