英男性、家族のために庭で飛行機を作成

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飛行機の製作に家族の手を借りることも/Courtesy Ashok Thamarakshan

飛行機の製作に家族の手を借りることも/Courtesy Ashok Thamarakshan

「着陸すると、彼(テストパイロット)は拍手しながら『おめでとう、自作飛行機が無事着陸した』と言った。格別の思いだった」(アリセリルさん)

航続距離1389キロメートルのG―ディヤはその後何度も飛行試験を繰り返し、22年5月に飛行許可が下りた。

次の週末、アリセリルさんは妻とディヤちゃん、タラちゃんを連れてワイト島へ飛び立ち、その後タクシーで飛行場からビーチへ向かった。

「子どもたちは大喜びだった。なにしろ自由だ。土曜日に出発して、同じ日の午後4時に戻って来られるなんて。最高の気分だった」

アリセリルさん一家はこの数カ月、再びワイト島に飛んだ他、イングランド東部の海沿いの町スケグネスや、バーミングシャーの村ターウェストンも訪れた。旅のようすは家族のインスタグラムに記録されている。

22年6月にはパイロット仲間と1週間の北欧旅行を敢行し、チェコ、オーストリア、ドイツを回った。

ここまでの飛行時間は約125時間と、パイロットとしては比較的まだ新米だとアリセリルさんは念を押すがフライトの度に自信をつけ、現在は家族との欧州旅行を計画中だ。

家族旅行

「それが将来の計画だ。週末には、天気が良ければ英国国内を旅できる。夏休みには1週間休みを取って、欧州にも飛んでいける」(アリセリルさん)

飛行機がもたらした自由とは別に、アリセリルさんにとって飛行機の一番のメリットのひとつは、他のパイロットと友情をはぐくむことができた点だ。

アリセリルさんは自家用機を所有すれば経済的負担になることをつねづね意識していた。だがこれまでのところ、3人の仲間と飛行機をシェアする手はずを整えたことで、そうした負担を回避できている。

「自家用操縦士のライセンスを取るにもかなりの費用がかかる」とアリセリルさんは続け、自分と同じような計画を立てた人々の多くが退職しているか、「時間や経済状況に余裕がある」人だと指摘した。

「最初から自分もある程度分かっていた。そうしたリスクを負ってでも、挑戦してみようと思った」とアリセリルさん。「いったんやってしまえば、費用を共有する人は簡単に見つかることも分かっていた。(自分の場合は)かなりスムーズに事が進んだ」

現在は4人のメンバーで平等に費用を分担しているため、「1人あたりの費用はスポーツ用多目的車(SUV)の値段とほぼ同じだ」とアリセリルさんは続けた。

「飛行機は燃費もいい。1時間のフライトで使う無鉛燃料はおよそ20リットル、燃料代も車の運転とあまり変わらない」

現時点では自宅近くの飛行場に格納スペースがないため、アリセリルさんは新しい格納庫を建設中だ。それまでは、飛行機はケンブリッジ近郊の飛行場に置かれている。

アリセリルさんによれば、飛行機の組み立て費用は、キットの代金が8万ポンド前後(約1300万円)。電子機器やロータックス社製のエンジン、プロペラ、その他備品などの追加費用を含めると、総額でおよそ18万ポンドだったそうだ。

将来的にはもっと大勢の若者がこうしたプロジェクトに挑戦してほしいとアリセリルさんは期待を寄せる。自家用機を仲間と共有すれば費用もおさえられるし、パイロット仲間とのつながりも作れると述べた。

「コミューンのようなものになりつつある」とアリセリルさん。「家族が同行できなくても、必ず一緒に飛んでくれる仲間が見つかる。それに友達がパイロットなら、互いに学び合うこともできる」

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