ゴンドラ転覆、中国人観光客が立ち上がって自撮り ベネチア
(CNN) ベネチアでこのほど、ゴンドラに乗っていた中国人観光客のグループが立ち上がって自撮りをしようと試み、ゴンドラが転覆する出来事があった。
転覆は今月3日に発生。ベネチア警察によると、観光客5人は運河の岸まで泳いで渡り、フェニーチェ劇場に避難した。負傷者はいないが、観光客少なくとも1人が携帯電話を紛失した。転覆はゴンドラが低い橋の下を通過しようとした際に起きたという。
ベネチアゴンドラ協会の広報が7日にCNNに明らかにしたところによると、ゴンドラに損傷はないが、布張りの椅子や毛布が運河に放り込まれた。
ゴンドラの船頭は観光客らに動き回ったり、立ち上がって自撮りを試みたりしないよう指示していたが、言葉の壁があり、指示に応じなかったという。
ベネチアゴンドラ協会は最近、ゴンドラの定員を6人から5人に制限。乗客1人当たりの重さについては約104キロの上限が設けられている。
ベネチアには免許を持つ船頭が430人いて、交代で観光客を乗せている。船頭の仕事は父から息子に受け継がれることが多く、女性の船頭で免許を持つ人は現在1人しかいない。
ベネチアでは近年、観光客のマナーの悪さが問題となっており、3階建ての建物から運河に飛び込んだ男性や、運河で泳いで罰金を科された例が話題になった。
ベネチアは来年から、オーバーツーリズム(観光公害)対策として日帰り客を対象に入場料を導入する方針。