精神疾患もつ米兵、一般市民より多く うつや怒り爆発も
(CNN) 米軍兵の精神衛生状態について調べた大規模調査で、何らかの精神疾患の症状をもつ米兵の割合は、一般の人に比べて大幅に高いことが分かった。
調査は米陸軍と米国立精神衛生研究所が、現役で非配備の陸軍兵約5500人を対象に実施し、精神医学誌の今週号に発表した。それによると、兵士の25%に何らかの精神疾患の症状があり、このうち11%が複数の症状を抱えていることが分かった。
特に、深刻なうつの症状を抱える兵士の割合は一般の人に比べて5倍、突然怒りを爆発させる間欠性爆発性障害は6倍、心的外傷後ストレス障害(PTSD)はほぼ15倍に上った。
報告書を発表したハーバード大学のロナルド・ケスラー氏によると、こうした症状は陸軍での過酷な経験に起因するものもある一方で、入隊したばかりの兵士にも同程度の割合で、注意欠陥多動性障害(ADHD)や間欠性爆発性障害などの症状がみられたという。
「陸軍に入隊する人は、愛国心や冒険心が強く、やや攻撃性が強いかもしれない」とケスラー氏は解説する。
さらに、自殺を考えたことがあるという兵士は14%に上り、5.3%は実際に自殺を計画、2.4%は自殺未遂の経験があった。この割合は海外に駐留した経験がない兵士で高く、自殺者のほとんどは自宅で命を絶っているという。
米国防総省はこの結果を受けて、「我々は対策に力を入れており、軍での自殺を防ぐためにあらゆる手段を講じている」とコメントした。