イスラム過激派指導者に有罪評決 米ニューヨーク陪審
ニューヨーク(CNN) 米ニューヨークの連邦地裁の陪審団は19日、テロに加担した罪などに問われていたイスラム過激派指導者アブハムザ・マスリ受刑者(56)に対し、罪状11件のすべてについて有罪の評決を下した。
マスリ受刑者は、1998年にイエメンで起きた外国人観光客の拉致事件に加担した罪や、アフガニスタンへ若い戦闘員を送り込んだ罪、アフガン反政府武装勢力タリバーンに対する米国の制裁に違反した罪、米オレゴン州へのイスラム過激派訓練キャンプの設置に関与した罪などで起訴されていた。
陪審は2日間の評議を経て有罪評決を下した。マスリ受刑者は、評決が読み上げられる間も表情を変えなかった。
同受刑者は義手を装着した姿で知られ、戦闘で腕を失ったとされてきたが、法廷では「作業中の事故」が原因だと主張した。担当の弁護士は、検察側が証拠として示したマスリ受刑者の発言は文脈から勝手に切り離しされていたなどと主張。評決を受け、「短期間で結論が出たのは陪審が先入観を持っていたからだ」と反発を示した。
マスリ受刑者は英ロンドン市内のイスラム礼拝所(モスク)での説教で人種間憎悪をあおり、殺人を教唆したなどとして英裁判所に起訴され、有罪判決を受けて収監された。その後、米国の身柄の引き渡し要求が認められ、2012年に英国から移送されていた。
量刑の言い渡しは9月9日に予定されている。