コレステロール摂取の心配は不要、米指針で新見解
(CNN) 米厚生省と農務省が5年ごとに発行している米国人の食生活に関するガイドラインの改訂に向けて、専門家でつくる諮問委員会が「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素とは見なさない」とする見解をまとめた。
この見解は食事ガイドライン諮問委員会がまとめた2015年版の報告書に盛り込まれた。「これまでのガイドラインでは、コレステロールの摂取は1日300ミリ以内に抑えることを勧告してきた。2015年版のガイドラインにはこの勧告は盛り込まない。食事によるコレステロールの摂取と血清(血中)コレステロールの間に特段の因果関係はないことが実証されている。コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素とは見なさない」と明記している。
コレステロールはこれまで50年以上の間、米心臓協会なども警告の対象としてきた。しかしクリーブランドクリニックの心臓血管専門医、スティーブン・ニッセン氏によれば、「飽和脂肪とコレステロールを制限しなければならないという考え方のために、米国人はバランスの取れた食事から糖分の多い食事へと移り、食べる量が増えてさらに太った」という。
諮問委員会では飽和脂肪や糖分、ナトリウムの摂取量を抑えた食生活を奨励している。
米厚生省と農務省は同報告書などをもとに、改訂版のガイドラインを発行する。