ISIS増長の「根本原因に対応を」 オバマ大統領
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は首都ワシントンの国務省で開かれている暴力的過激主義対策サミットで19日、各国の当局者らを前に演説し、イラク・シリア・イスラム国(ISIS)やアルカイダといった集団を増長させている根本原因への対応を促した。
演説の中でオバマ大統領は、宗派間対立などによる衝突の連鎖を断ち切らなければならないと述べ、そうした対立から生まれる不満がテロリストに付け込まれていると指摘。「特に宗派や民族に関連して人々が抑圧されたり人権を否定されたり、反対意見を封じられたりすれば、暴力的な過激主義がはびこり、テロリストに付け込まれる環境が生まれる」と力説した。
昨年秋に国連総会で行った演説ではイスラム世界に対し、テロ組織に引き寄せられる若者の機会をもっと拡大するよう促していたが、今回の演説では、アラブ首長国連邦(UAE)がISISなどの勧誘にインターネットで対抗している新たな取り組みにも言及した。
さらに、ISISなどの組織は暴力を正当化するためにイスラム教を利用していると繰り返し、ISILがイスラム教徒だという考えは「偽り」だと断言。そうした「イスラム教のゆがめられた解釈」に反論する責務はイスラム聖職者にもあると強調した。
その上で宗教や政治指導者に対し、「中東のあらゆる苦難の原因」が米国にあるという考え方を広めるのを止めるよう促した。