ダイバー、原発の取水管に吸い込まれるも無事 米フロリダ州
(CNN) 米フロリダ州のセントルーシー原子力発電所近くでスキューバダイビングをしていた男性が同原発の取水管に吸い込まれたものの、原発敷地内にある池にたどり着いて助かる騒ぎがあったことがこのほど分かった。
原発の運営企業フロリダ・パワー・アンド・ライトによると、取水管の直径は約4.9メートル、長さは約400メートルで近くの海底まで伸びている。毎分約50万ガロン(約1893キロリットル)の海水を取り込んでいる。
男性は5日、CNNの取材に、真っ暗な取水管内にはもまれながら4〜5分間いたと説明。吸引力は激しく、水中眼鏡を押さえなければならなかったという。遠くにわずかな光が見えた後、突然、運河のような池で陽光を浴び、多数の魚も見たと振り返った。
この後、原発従業員を見付けて携帯電話を借り、妻に連絡を試みていた。原発従業員は男性の出現に驚いたという。
騒ぎの発生は昨年7月12日で、男性はその後、同社を提訴。取水管の位置を知らせる目印がなく、危険な事態に遭遇したと主張している。
同社の広報担当者はCNNに取水管には保護目的のふたがあると強調。男性は意図的に取水管内への異物混入を防止する装備品をすり抜けた後、取水管の1つに近付いたと反論している。
また、取水管の場所には同原発の稼働開始以降、ブイを浮かばせ、約30メートル離れるよう警告しているとも主張。これに対し、男性は地元のCNN系列局WPTVに、当人と友人は同日に黄色のブイと海面下に沈む大きな輪郭の物を見たが、ブイには注意事項は記されていなかったと述べた。
米通信社UPIによると、同原発では1989年にもダイバーが取水管に吸い込まれる騒ぎがあったが無事だった。