オバマ米大統領、キューバ大使を指名 上院の承認は難航か
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は27日、米国にとって約50年ぶりとなるキューバ大使に、臨時代理大使のジェフリー・デロレンティス氏を指名した。
大使の任命には上院の承認が必要とされるが、議会ではキューバとの国交回復に反対する声が根強く、承認手続きは難航する見通しだ。
デロレンティス氏はキューバの首都ハバナに置かれた米利益代表部で2014年からトップを務め、大使館への格上げとともに臨時代理大使に就任していた。
オバマ大統領は声明で、同氏を大使に昇格させることは「キューバとのより正常で生産的な関係に向け、当然取るべき前向きの措置」だと述べ、同氏ほどの適任者はいないと強調した。
デロレンティス氏の指名は以前から予想されていた。しかし、カストロ・キューバ政権の人権侵害などを問題視してオバマ大統領の融和政策に反対するキューバ系の共和党議員らは、大使の任命自体に反対している。
オバマ大統領はこのほかにも議会に対し、連邦最高裁判事に指名したメリック・ガーランド氏の承認や環太平洋経済連携協定(TPP)の批准を求めているが、いずれも11月の大統領選前に実現する可能性はないとみられる。