トランプ氏の「盗聴」批判 反論続々、党内からも憂慮の声
(CNN) トランプ米大統領が昨年の選挙前にオバマ前大統領によって電話を盗聴されたと主張するツイートを繰り返したことについて、米情報当局の元高官は、盗聴説を「ばかげている」と一蹴(いっしゅう)した。
連邦当局による捜査の一環として電話の盗聴が必要と判断された場合は、司法省が令状を出す。オバマ政権下での司法省の捜査事情を直接知る別の元高官はCNNに、トランプ氏の電話が盗聴された事実はないと断言し、「偽情報だ。間違いだ」と反論した。
オバマ氏の副補佐官を務めたベン・ローズ氏は同日午前、トランプ氏に向けて「大統領は盗聴の命令を出せないことになっている。これはあなたのような人から市民を守るために設けられた規定だ」とツイートした。
トランプ政権に批判的な立場を取る共和党の重鎮、リンジー・グラハム氏は同日の集会で、「我が国の大統領が前大統領による違法行為を主張しているという事態を深く憂慮している」「実際に前大統領がトランプ陣営と外国政府の接触に関して合法的に令状を取ったとすれば、それも憂慮すべき事態だ」と語り、上院議員として真相の解明を約束するのが自分の務めだと述べた。
トランプ氏は同日午前6時半すぎから6回にわたり、ツイッター上でオバマ氏を非難。トランプ氏が拠点としていたニューヨークのトランプタワーが盗聴されていたなどと主張した。トランプ氏もホワイトハウスも根拠や情報源を一切示していない。
オバマ氏の広報担当者、ケビン・ルイス氏は同日昼過ぎに声明を出し、オバマ政権が司法省の捜査に介入することはなかったと指摘。オバマ氏やホワイトハウス当局者が米市民の盗聴を命じたというような主張は「全くの虚偽」だと述べた。