米、イラン革命防衛隊をテロ組織に指定 イランも対抗措置
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は8日、イランのエリート部隊「イスラム革命防衛隊(IRGC)」を正式に外国テロ組織に指定すると発表した。政権内部には、中東に駐留する米軍が潜在的危険にさらされかねないとして、同隊のテロ組織指定に反対する声もあった。
トランプ大統領は声明の中で、「イランはテロ支援国家であるだけでなく、IRGCが国政の道具として積極的にテロに参加し、資金を供給し、推進している」と強調。IRGCを「イラン政府が世界的なテロ活動を指揮・実行するための主要な手段」と位置付けた。
米政府当局者はテロ組織指定の背景として、イランがシリア政権やイエメンの反体制派フーシ、レバノンの武装組織ヒズボラなどを支援して、中東を不安定化させているとの見方を示した。
IRGCは1979年のイスラム革命後に創設された最有力の軍事機関で、内政や経済に対しても強大な権限を持ち、その影響力は建設、通信、自動車、エネルギーなどの業界にも及ぶ。
イラン国営通信によると、イラン最高安全保障委員会は対抗措置として同日、米国を「テロ支援国家」に、米中央軍および同軍と連携する部隊を「テロ組織」に指定すると発表。「米政権は、今回の措置に伴う危険な結果の全責任を負うことになる」と牽制(けんせい)した。
米国が他国の政府機関を外国テロ組織に指定したのは今回が初めて。米国務省のポンペオ長官によると、指定は15日から有効になる。IRGCは経済制裁や渡航制限の対象となり、IRGCと取引を行う個人や企業はテロ組織支援の罪に問われる可能性がある。