トランプ氏別荘侵入、中国のスパイ活動と関連か 米国務長官が示唆
ワシントン(CNN) 米フロリダ州にあるトランプ大統領の別荘「マール・ア・ラーゴ」に不法侵入した容疑で女が逮捕された事件で、ポンペオ国務長官は5日、特定の事件への言及は避けるとしつつも、中国が米国に与える脅威の一例だと述べ警戒感を示した。
米CBSテレビのインタビューで述べた。司会者から今回の事件はスパイ行為かと問われ、捜査中の事案で詳細は語れないとしながらも、「中国の脅威を国民に伝える事件だと思う。米国内での工作の対象は政府当局者のみならず幅広い範囲に及んでいる」と述べた。
逮捕された女は複数の中国旅券とマルウエア(悪意を持ったプログラム)の入ったUSBメモリーを所持していた。
CNNは3日、連邦捜査局(FBI)が中国によるスパイ工作の可能性を視野に捜査に乗り出したと伝えた。
当局者によると、今回のように外国人が関与し、防諜(ぼうちょう)や情報セキュリティーの問題が絡む可能性がある事案では、FBIはこうした対応を取るという。
ただ、トランプ氏は3日、中国のスパイ活動の可能性について問われ、「私はまったく懸念していない」と否定。「場当たり的」な犯行だったとして、大統領警護隊(シークレットサービス)と侵入を阻止した受付担当者を称賛した。
FBIはこれまで事件と中国スパイ活動の関連を明らかにしていないものの、ポンペオ氏は今回、捜査員がその可能性を精査していると説明。事件が知的財産の窃盗を図る中国の幅広い試みに結びついている可能性を示唆した。
そのうえで、米中通商協議でもこの問題が話し合われていると明かし、「米国の知的財産の窃盗は大きな問題で、被害額は数千億ドル規模に上る。トランプ大統領はこれに断固対抗する決意だ」と述べた。