バイデン前副大統領、20年米大統領選への出馬表明
(CNN) 米民主党のバイデン前副大統領(76)は25日、2020年大統領選への立候補を表明した。数カ月にわたる熟慮の末の決断だった。
バイデン氏は出馬表明の動画で、バージニア州シャーロッツビルで17年8月に開かれた白人至上主義者の集会と、後日のトランプ氏の対応を批判。トランプ氏が「(立場は違っても)双方に素晴らしい人はいるものだ」との言い回しを引用したことに触れ、「大統領はこうした言葉により、憎しみをまき散らす人と、それに立ち向かう勇気のある人を道徳的に同等とみなした」と指摘した。
2020年大統領選については「この国の魂をめぐる闘い」と位置付け、「国の核となる価値観、世界での我々の地位、民主主義そのもの、アメリカをアメリカたらしめるもの全てが懸かっている」と強調した。
バイデン氏はこの後、フィラデルフィアでの選挙集会に参加。26日に米ABCテレビの番組に出演し、出馬表明後初となるテレビインタビューに臨む。29日にはピッツバーグで初の公式イベントを開催し、続けてアイオワ、ニューハンプシャー、サウスカロライナなど予備選が早い時期に開かれる州を遊説する見通し。
バイデン氏は20人の候補が乱立する民主党指名争いに最有力候補として参戦する。ただ、指名候補争いでは、政界での40年を超えるキャリアがこれまでになく厳しく精査されるのは確実とみられる。
また、民主党ではサンダース、ウォーレン両上院議員ら進歩主義候補の増加で左傾化の流れが強まっており、中道派のバイデン氏は対応に苦慮しそうだ。
出馬表明を受け、トランプ大統領は「眠そうなジョー、大統領選にようこそ」とツイート。「長く疑問視されてきたが、あなたが予備選で成功する知性を備えていることを願うばかりだ」と述べた。