ボルトン氏、著書の原稿でウクライナ疑惑裏付けか 米紙報道
ワシントン(CNN) ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が近く出版する著書の原稿に、トランプ大統領のウクライナ疑惑を裏付ける記述が含まれていたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズが26日に報じた。
上院で開かれている弾劾(だんがい)裁判では、トランプ氏がウクライナに対して、政治的ライバルのバイデン前副大統領らによる汚職疑惑を捜査するよう圧力をかけ、軍事支援の条件にしたとの疑惑が焦点となっている。
同紙が原稿の内容を知る複数の人物の話として伝えたところによると、ボルトン氏は原稿の中で、トランプ氏から直接、ウクライナが捜査要請に応じるまで軍事支援の凍結を続けるとの意向を聞いたと明記している。
トランプ氏の弁護団は、ウクライナへの捜査要請と軍事支援凍結の間に関連はなかったと主張するが、ボルトン氏の記述が事実だとすれば、これと真っ向から対立する情報だ。
ボルトン氏の報道官によると、原稿は国家安全保障会議(NSC)のチェックを受けるため、ホワイトハウスに送られた。
弾劾裁判で検察役を務める下院民主党の議員団は26日夜に共同声明を出し、「我々にはすでに分かっていた」事実が確認されたと強調。弾劾裁判では民主党側がかねて求めてきたように、ボルトン氏を証人として召喚する必要があると訴え、著書が出版されるまで待つ理由はないと主張した。
ボルトン氏は召喚されれば証言するとの姿勢を示している。
同紙によると、ボルトン氏の原稿にはこのほか、同氏が昨年9月に退任するまでの間に政権内部でウクライナ問題がどのように展開し、複数の高官らが具体的にどうかかわっていたかなどについて、新たな詳細が書かれている。