新型コロナウイルスの米国の死者、10万人超す
(CNN) 新型コロナウイルスによる米国内の死者が、27日の集計で10万人を超えた。犠牲者の数は、ベトナム戦争で命を落とした米国人のほぼ2倍に上る。
米国で初めて新型コロナウイルスによる死者が確認されたのは2月6日。それ以来、平均すると毎日900人近くが死亡した。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、27日までに報告された死者の数は10万271人。しかし自宅など病院以外で死亡した患者が新型コロナウイルスの検査を受けていなかった可能性もあり、この数字が全体像を表しているとは言い切れない。
それでもマスク着用など感染拡大防止のための対策を続ける必要があるかどうかをめぐり、国民の意見は分かれている。
専門家は、マスク着用に感染防止の効果があることは実証されていると指摘する。米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)のクリス・マーレイ所長は26日、CNNの取材に対し、「マスク着用の効果を裏付ける明らかな証拠がある。恐らく50%の確率で感染を防止できる」と述べ、「今後1~2カ月で何が起きるかは、国民の対応にかかっている」と強調した。
一方で、マスク着用は政治問題とも化した。公共の場でもマスクをしないトランプ大統領に対し、野党民主党のバイデン前副大統領はマスクを着用している。
IHMEの予測では、8月までに米国で予想される死者の数を、1週間前より1万1000人少ない13万2000人とした。マーレイ所長はこの減少の理由について、マスク着用など行動の変化に起因すると説明している。
このところは気温の上昇や連休が重なって、公共の場に大勢の人がマスクを着けずに詰めかける場面もあった。それでも適切な対策を講じれば、感染の「第2波」は避けられないわけではないと、国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は話している。