世界の酒類販売、今年は2けた減の見通し IWSR予測
ニューヨーク(CNN Business) 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、酒類の販売が今年、2けたの減少を記録する可能性があることがわかった。酒類の販売状況を調査しているIWSRが明らかにした。
新型コロナウイルスの感染抑止に向けて、世界各地で、旅行をはじめ、飲食店やバーの経営、イベントなどに制限がかけられている。IWSRの試算によれば、酒類の世界販売は今年、12%減少する見通し。2019年は0.1%の増加だった。
IWSRは、2008年の金融危機時の落ち込みも今年これから目撃することに比べればそれほどひどいものではなく、2019年がしばらくの間、「最後の通常の年」だったとなるだろうと指摘。販売が新型コロナ前の水準に戻るには少なくとも2024年まではかかるだろうとの見通しを示した。
新型コロナウイルスの感染拡大はアルコール業界の一部に恩恵をもたらした。調査会社ニールセンによれば、3月半ばから5月半ばにかけて米国の小売店でのアルコールの売り上げは前年同期比26.5%増加した。しかし、レストランやバーが閉鎖され、スポーツや祭りなどのイベントが行えないため、業界全体の販売減を相殺することはできないという。
移動制限や旅行の中止によって、旅客機やクルーズ船、免税品店でのアルコールの販売も大きな打撃を受けている。