米CDC、抗体検査の過信に警鐘 「半数が偽陽性」の恐れも
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は27日までに、新型コロナウイルスの抗体検査に関する新たな指針を公式サイト上で発表した。誤判定が最大で半数に上る可能性もあるとして、重要な政策決定の根拠にするべきではないと警鐘を鳴らしている。
CDCは指針の中で、血清中の抗体は発症後1週間のうちに検出されることもあると説明する一方、精度に問題があると指摘。保健当局者や医療従事者には、抗体検査を使う際はできるだけ精度の高い検査薬を採用するよう呼び掛け、場合によっては検査を2度繰り返すよう助言している。
CDCによると、新型コロナウイルス感染が急拡大した地域を含め、大半の国で抗体を持つ人の割合は人口の5~25%以下と推定される。
CDCは例として、抗体保有率が5%の状況を想定。ある検査で陽性の検体を陽性と判定できる割合を示す「感度」が90%、陰性の検体を陰性と判定できる割合を示す「特異度」が95%とした場合、陽性と出た人のうち本当に陽性である人の割合(陽性的中率)は49%にとどまると計算している。つまり、本当は陽性でないのに陽性と判定された「偽陽性」が半数以上を占めることになる。
ただし抗体保有率が52%を超えている状況なら、同じ検査で95%以上の陽性的中率が期待できるという。
偽陽性者は自分が実際は感染していないのに、感染済みだと思い込むことになる。しかも新型コロナウイルスに一度感染した人が免疫を獲得するのか、するとしたらどれくらい持続するのかは明らかでない。
CDCはこうした理由から、抗体検査の結果で学校や寮、刑務所などに集める対象を振り分けたり、職場に復帰させる従業員を決めたりするべきではないとの見解を示した。