デモ隊に笑顔で「一緒に歩こう」 米保安官に共感広がる
(CNN) 黒人男性が警官に取り押さえられて死亡した事件を受けて全米で警察に対する抗議デモが激化する中、1人の保安官の行動をめぐってソーシャルメディアで共感が広がっている。
米ミシガン州フリントタウンシップで5月30日に開かれた抗議デモ。暴動鎮圧の装備で出動した警官隊とにらみ合う市民らに語りかけたのは、ジェネシー郡の保安官クリス・スワンソンさんだった。地元放送局WEYIが伝えた。
スワンソンさんは警棒を下ろすと、「抗議ではなくパレードにしたい」とデモ参加者に語りかけ、「私たちがここにいる唯一の理由は、あなた方が確実に声を上げられるようにするためです。ここにいる警官たちはあなた方を愛しています」と訴えた。
集まった人たちは、米ミネソタ州で起きた警官の暴行と黒人男性ジョージ・フロイドさんの死に対して抗議の声を上げていた。
スワンソンさんが笑顔でデモ参加者とハイタッチを交わすと、集まった人たちの中から「一緒に歩こう」という声が巻き起こった。スワンソンさんは「レッツゴー」と応じ、歓声を上げる人たちと一緒に歩きながら、「どこまで歩きたい? 一晩中歩こう」と声をかけていた。
デモ参加者とハイタッチをかわすスワンソンさん/Ryan Garza/USA Today Network via Reuters
ソーシャルメディアにこの映像が流れると、「#WalkWithUs(『私たちと一緒に歩こう』の意味)」のハッシュタグとともに、スワンソンさんの行動を称賛する声が広がった。
ツイッターには「これこそ警察の正しい対応」「WalkWithUsこそ、ジョージ・フロイドさんを殺害した体制を変える方法だ」といったツイートが相次いでいる。
スワンソンさんはこの前日、フェイスブックに「この恐ろしい犯罪に関与した警官それぞれの即時逮捕と訴追を求める」と投稿していた。