米黒人死亡事件、元警官を第3級殺人で訴追 ミネアポリスに夜間外出禁止令
ミネアポリス(CNN) 米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が警官による暴行で死亡した事件で、地元検察は29日、ひざで首を押さえつける様子が動画に映っている元警官を第3級殺人の疑いで訴追した。ミネアポリスでは抗議デモが激化しており、市長はこの日、夜間外出禁止令を発出した。
免職となった元警官のデレク・ショービン容疑者は第2級故殺の疑いでも訴追された。
一方、黒人男性ジョージ・フロイドさんの遺族と弁護士は、もっと重い罪状が適用されなかったことに不快感を表明した。
弁護士と遺族は声明で「われわれは第1級殺人での訴追を予想していたし、それを望んでいる。他の警官も逮捕されることを望む」と表明。ショービン容疑者について「真の有責性を反映した罪状に変更するよう当局に求める」とした。
訴追請求状によると、ショービン容疑者は計8分46秒にわたりフロイドさんの首の上に乗っており、そのうち2分53秒はフロイドさんが意識を失った後だった。
米国ではフロイドさんの死を受け、各地の都市でデモが発生。有色人種が警官によって殺害された際の司法制度のあり方をめぐり、疑念が噴き出している。ミネアポリスと同州セントポールではデモに伴い略奪や火災、建物などの損壊が起き、ミネソタ州知事は「身を切るような痛み」を認めつつも秩序ある行動を呼びかけた。
ミネアポリスの夜間外出禁止令は米中部時間の29日午後8時から始まり、30日午前6時まで続く。市長が署名した緊急決議によると、外出禁止令は30日夕も実施される見通し。
第3級殺人と第2級故殺で有罪となった場合、ショービン容疑者は最大で前者につき禁錮25年、後者につき禁錮10年を科される可能性がある。