バイデン氏、死亡黒人に言及のトランプ氏を「卑劣」と批判
(CNN) バイデン前米副大統領は5日、トランプ大統領が暴行死した黒人男性ジョージ・フロイドさんの名前に言及して失業率低下を自賛したことに触れ、「卑劣」な発言と強く批判した。
トランプ氏はこの日、ホワイトハウス中庭で会見。「ジョージが天から見下ろしていて、『我が国にとって素晴らしいことが起きている』と言っていれば良いのだが。きょうは彼にとっても、皆にとっても素晴らしい日だ」と述べた。
フロイドさんは先月、ミネアポリス市警の白人警官にひざで首を押さえつけられ死亡した。フロイドさんの死を受け、米国では各地で警察の暴力に抗議するデモが起きていた。
一方、バイデン氏はトランプ氏の発言を「卑劣」と批判し、「『息ができない』というジョージ・フロイドの最後の言葉は全米、いや全世界に響き渡っている。大統領がそれ以外の言葉をジョージ・フロイドに語らせようとするのは、率直に言って卑劣だと思う」と述べた。
さらに「黒人やヒスパニック(中南米系)の失業率が上昇し、黒人の若者の失業率が激増した日にトランプ氏がこのような発言をしたことは、この男とその本当の関心のありかについて全てを物語っている」とした。
米国ではバイデン氏の発言の数時間前に新たな雇用統計が発表され、4月から5月にかけて失業率が低下したこと、労働市場が想定より早く回復している可能性があることが示されていた。
これによると、新型コロナウイルスの渦中にあっても5月の就業者数は250万人増加。月次統計が始まった1948年以来最悪の14.7%となっていた失業率も、13.3%に改善した。
ただ、黒人の失業率は16.8%と、白人の12.4%に比べ大幅に高い水準にとどまっている。