米国の新型コロナ、南部と西部で感染拡大 対策無視の若者増える
(CNN) 米国内の新型コロナウイルスの感染状況について、南部と西部で大幅な伸びが見られることが23日までに明らかになった。当局者によるとこれらの地域では、感染予防策としての対人距離の確保を実践しない若年層が増加。検査で陽性反応を示す事例が増えているという。
若年層は新型コロナウイルスに感染しても軽症で済む公算が大きい。それでも感染した若者が高齢者などよりリスクの高い人々にウイルスを移す可能性は依然として残る。
国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は、感染した若者からウイルスを移された高齢者が発症し、入院へとつながる時間的プロセスを説明。「死亡率(の上昇)は常に感染率(の上昇)から数週間遅れてやってくる」と警鐘を鳴らす。
現在米国内では、半数近い州で新規感染者の増加が報告されている。1日当たりの感染者数で過去最高を更新し続けている州もある。
フロリダ州の公衆衛生当局によると、同州の新型コロナ感染者数は22日、10万人を突破した。またカリフォルニア州のニューサム知事は同日の記者会見で、感染を確認した患者の35%以上は過去2週間内に記録された事例だと明らかにした。
欧州やアジアでは今年初めに感染者数が急増したものの、抑止策を講じて以降、その数は急速に減少している。
しかし米国での感染はまだ第1波が終わっていない段階とみられている。ミネソタ大学感染症研究政策センター(CIDRAP)のマイケル・オスターホルム所長は、21日に出演したNBCの番組で新型コロナウイルスについて、「山火事に近いものだと思う」と説明。「現時点で感染者予備軍が多数いる」とし、「夏にかけて、あるいは秋に入っても感染が収まるとは思えない。第1波、第2波、第3波と分かれるのではなく、感染症というただ一つの極めて困難な山火事を経験することになるのだろう」と語った。