米国の感染状況、「正しい方向に向かっていない」 ファウチ所長
(CNN) 米国の新型コロナ対策を率いる国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は2日、国内の感染状況が前向きな方向に推移していないとの認識を示した。一方で、社会経済活動の再開と感染抑止につながる予防措置とを両立させることは可能だとも指摘した。
医学誌JAMAとのインタビューで語った。その中でファウチ氏は「我々が正しい方向に向かっていないことはかなり明白だと思う」と述べた。
米国では1日、新規の感染者数が5万人を超えた。また少なくとも23の州が再開に向けた計画の見直しを余儀なくされている。
ファウチ氏は、活動再開と公衆衛生対策のどちらを選択するかという問題ではないと主張。「最良の方法は、国の活動を安全に再開する手段として、公衆衛生対策を慎重に活用することだ」と語った。
2日には、新型コロナウイルスがすでに変異し、より強い感染力を獲得した可能性があるとする研究結果が公表された。ただこの変異は、感染者をより重症化させるものではないとしている。
ファウチ氏は「特定の変異によって、ウイルスがより感染しやすくなる可能性はあるようだ」と述べた。