アジア系米国人の31%、人種差別に遭遇 コロナ禍で
(CNN) 米世論調査機関「ピュー・リサーチ・センター」は2日までに、新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以降、身辺で他人による不快な行為に直面したとするアジア系やアフリカ系(黒人)の米国人は約40%に達したとの調査結果を公表した。
アジア系の約3分の1は人種差別的な中傷や冗談にさらされたと回答。26%は物理的な攻撃を受けかねないとおびえた体験を告白した。
一方、人種や民族の違いに根差すこの種の被害を受けたとする白人やヒスパニック(中南米系)はより少なかった。
今回調査は米国人成人9654人を対象に6月4〜10日に実施。この時期は、白人警官による黒人暴行死事件に絡む抗議デモが全米規模で起きてもいた。
調査では、多くの黒人やアジア系が公の場所でマスクを着用した場合、不審を抱かれることを危惧している状況も判明。
黒人の42%とアジア系の36%は、自らの人種や民族性のため店舗内などでマスクを利用すれば、他人が怪しむとの大きなもしくはかなりの程度の懸念を抱いていることがわかった。同様の比率はヒスパニックで23%、白人はわずかに5%だった。
ただ、黒人の69%とアジア系の80%は過去1カ月間、店舗などにいる際はマスクもしくは鼻や口を覆うものを利用していたと回答。白人では62%、ヒスパニックでは74%となっていた。
米国人成人10人のうち4人が、コロナ禍が始まって以降、アジア系に対する人種的かつ民族的に無神経な言葉などを発することが社会全体でさらに広がったと判断してもいた。黒人への人種差別的な発言などが一層増えたと受けとめる白人は30%だった。