「QAnon」陰謀論を非難する決議案、超党派で提出 米下院
(CNN) 米連邦議会下院の民主、共和両党の議員が「QAnon(キューアノン)」と呼ばれる陰謀論を支持する運動を非難する決議案を提出した。QAnonはインターネット上の異端な陰謀論として始まったが、政治の主流派にも影響を及ぼし始めている。
決議は象徴的な意味合いが強いが、与党共和党内でも陰謀論を受け入れる人が出始めており、共和党員にQAnonを非難する機会を与えることになる。
トランプ大統領は先週、陰謀論についてはよく知らないとしつつも、同氏支持を表明するQAnonの信奉者を受け入れる姿勢を示した。一方、ペンス副大統領はこの陰謀論を切り捨てた。
共和党の連邦議員候補者の中にもQAnonを受け入れているように見られる候補者が複数いた。
QAnonの陰謀論は、悪魔を崇拝する政治家や著名人が世界中の政府と結託して児童の性的虐待に関わっていると主張する内容で、事実に基づくものではない。新型コロナウイルスや銃乱射事件の陰謀論、トランプ氏を排除しようとする影の政府の存在なども信じられている。トランプ氏は世界の権力構造を牛耳る犯罪の陰謀を排除するために選ばれた人物として崇拝されている。
連邦捜査局(FBI)はQAnonを国内のテロの脅威と位置付ける。
今回の決議案は、FBIや他の法執行機関に対して、異端な政治的陰謀論から過激主義者が犯罪に走るのを阻止するように促す内容。また、国民に対しても、党派にかかわらず信頼できるソースから情報を得て、共通の事実に基づいた政治的議論を行うように求める内容となっている。