米NY市警の警官を逮捕、中国に内部情報を提供した容疑
ニューヨーク(CNN) 米ニューヨーク市警(NYPD)の警官が中国に内部情報を提供した疑いで逮捕されたことが分かった。
ニューヨーク・ブルックリンの連邦地検によると、バイマダジ・アンワン容疑者(33)は21日に逮捕され、同日中に初出廷。外国の工作員として動いた罪などに問われている。
起訴状によると、アンワン容疑者は中国から文化交流ビザで渡米し、2度目の期限が切れた後も引き続き滞在。中国でチベット族出身であることを理由に拘束され拷問を受けたと主張し、亡命を申請した。
米海兵隊に入って2013年にはアフガニスタンに派遣され、14年から陸軍予備役軍曹。16年からNYPDにも勤務していたが、現在は職務から外されている。
検察によれば、容疑者は18年以降、在ニューヨーク中国総領事館の当局者少なくとも2人と接触を続けていた。
警官の立場を使って中国当局者らをNYPD幹部と引き合わせたり、内部情報を提供できると語ったりしたとされる。実際に中国側から指示を受けてチベット系住民の活動を報告し、情報源を探っていたという。
デマーズ司法次官補(国家安全保障担当)は声明で、アンワン容疑者の逮捕は中国によるスパイ行為の脅威に対する米当局者への警告だと述べた。
NYPDのシェイ本部長はCNNへの声明で、アンワン容疑者は米国と米軍、NYPDへの誓約を全て破ったと非難した。
同容疑者は予備役兵として秘密情報の取り扱いを認められた際の審査で、外国政府との接触なしと虚偽の申告をした罪と、中国関連の口座から計約12万ドル(約1250万円)の送金を受けたとされる通信詐欺罪にも問われている。