暑さで溶けていくヒョウの彫刻、気候変動に警鐘 米フロリダ州
(CNN) 米フロリダ州の動物園に、猛暑で溶けるヒョウの彫刻が登場した。オレンジ色のろうが背中から流れ落ちる母ヒョウの彫刻はやがて溶けてなくなり、子どものヒョウだけが取り残される。
溶けて流れるヒョウのろう人形は、人間がつくり出した気候変動がフロリダ州の野生生物と人間に与える影響を比喩的に表現した作品。事態は今後さらに悪化すると専門家は予想する。
フロリダ州は、記録的なハリケーンや沿岸部の洪水、気温上昇、長く続く極端な猛暑といった気候変動に見舞われている。
ヒョウの彫刻は、フロリダ州で気候科学教育に力を入れる非営利組織(NPO)のCLEO研究所などが、気候変動の危機を訴えるキャンペーンの一環として制作した。
ヒョウの彫刻は絶滅の危険にさらされている種にどんな影響が及んでいるかを表現する目的で、18日にタンパ動物園にデビューした。これはアーティストでディレクターのボブ・パーティントン氏が制作した3作品のうちの1つで、残る2作品は別の場所に設置されている。
彫刻はそれぞれ数日で溶けてなくなり、気候変動について警告するメッセージが徐々に表れる。素材にろうを使ったのは、フロリダ州の気温上昇に警鐘を鳴らす目的だったと関係者は語る。
最初の作品は、フロリダ州のビーチに置かれているライフガードの詰め所を模したろうの彫刻だった。この作品は、フロリダ州の観光業と生活の質の象徴として、マイアミに設置され、やがてろうが溶けると、「熱波が増え、ビーチが減る」というメッセージが現れた。
ライフガードの詰め所を模したろうの彫刻/From Zubi
3番目の彫刻はオーランド市役所で今週披露される予定で、ベンチに座る男性と孫娘を描き、フロリダの自然を後世に残せるのかについて考えてもらいたいという意図が込められている。