米国務長官、他国へのワクチン供給で方針示す 責任者を任命
ワシントン(CNN) ブリンケン米国務長官は5日、新型コロナウイルスワクチンの他国への供給をめぐる方針を説明し、責任者として新たな調整官を任命した。
ブリンケン氏は国務省での会見で、国内向けのワクチン確保とともに他国への供給計画を検討していると説明。多くの国が米国に助けを求めているとの認識を示し、「我々はできる限りの早さで行動している」と述べた。
さらに、たとえ米国民全員へのワクチン接種が完了しても、世界各地でウイルスの増殖と変異が続き、経済活動や人の移動が再開すれば、安全は確保できないと指摘。「このパンデミックは世界中で終わらない限り、国内でも終わらない」と述べた。
他国へのワクチン提供については、「安全性と有効性が証明されたワクチンだけを供給する」との方針を強調した。
中国が国内への供給より先に無償供与や輸出でワクチン外交を展開し、ロシアやインドも他国に供給していることを意識した発言とみられる。
同氏はまた、新型ウイルスへの国際対応を調整する国務省内の新ポストに、オバマ政権で国際開発庁(USAID)長官を務めたゲイル・スミス氏を任命。スミス氏が2014年にエボラ出血熱への対応を率いた業績などを紹介した。
スミス氏は、過去にウイルスと闘った経験から二つの教訓を得たとコメント。「第一に、ウイルスの動きが私たちより速い時はウイルスが勝っているということ。第二に、統一された目標と科学、警戒、そして指導力によって、どんなウイルスにも打ち勝てるということだ。米国にはその実績がある」と述べ、「米国の指導力が強く求められている」と訴えた。