米黒人死亡事件 陪審が初日の評議を終える
ミネアポリス(CNN) 米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官の暴行で死亡した事件の裁判は、検察、被告側双方が19日に最終弁論を行った。これを受けて、陪審が有罪か無罪かを判断する評議に入り、初日の評議を終えた。
評議は現地時間午後4時から始まり午後8時に終了した。陪審員は評議中は隔離され、夜はホテルで過ごすことになる。裁判所は20日午前に陪審が評議を再開するかどうか明らかにしなかった。
最終弁論で検察は、元警官のデレク・ショービン被告がフロイドさんの首と背中を9分29秒にわたりひざで圧迫したのは被告本人の自尊心やうぬぼれのためだったと強調。事件当時、周囲の人々が懸念を示していたにもかかわらず、権力を意のままに行使しようとした結果、フロイドさんの命が失われたと述べた。
殺人罪に問われている被告に対し、検察が自尊心やうぬぼれといった事件当時の精神状態について言及したのは初めて。
これに対し被告側弁護人は、ショービン被告が「分別ある警官」として状況にふさわしい行動を取ったと主張。意図的かつ目的を伴って違法な強制力を用いた証拠は存在しないと述べた。
この後検察は、フロイドさんの死因が拡張型心筋症だったとする弁護側の見解に対しても反対弁論を行い、「フロイドさんが死んだ理由は、ショービン被告のハートが小さすぎたせいだ」と述べた。
裁判の開始以降、検察は警察の実力行使の専門家や医療の専門家など38人の証人を召還。弁護側は7人を召還した。被告本人は証言をしない権利を行使したため、証言台に立つことはなかった。