米NY州の黒人男性死亡 警官不起訴の大陪審判断に抗議デモ
(CNN) 米ニューヨーク州ロチェスターで昨年3月、黒人男性が警官に押さえ付けられ、その後死亡した事件で、同州の大陪審は23日、警官らを不起訴とする判断を下した。市内では同日夜、これに抗議する数十人のデモ隊が行進した。
CNN提携局のビデオには、デモ隊が「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」などと書いたプラカードを掲げ、死亡したダニエル・プルードさんの名前を唱えて行進する場面が映っている。
同州のジェームズ司法長官は、大陪審で「別の結果」が出ることを目指して説明を尽くしたが、「最終的な判断を尊重せざるを得ない」と述べた。
そのうえで、警察の実力行使に関する改革を約束し、研修強化などの案を提示した。
ジェームズ氏はさらに、判事が大陪審での審理内容の記録を公開する判断を下したことを明らかにした。
遺族の弁護士らは、不起訴の判断に「深い失望」を表明。民事裁判で追及を続けるとともに、連邦レベルでの警察改革を求めていく構えを示した。
ロチェスター警察の責任者によると、事件にかかわった警官7人の停職処分は、内部調査の結果が出るまで継続する。
プルードさんは精神疾患の症状がある状態で警官らに手錠をかけられた。警官はこの時、プルードさんの頭に感染対策用の袋をかぶせ、地面に押さえ付けた。プルードさんは搬送先の病院で脳死と判定され、1週間後に死亡した。