小学生の感染で母親が学校側を提訴 米ウィスコンシン州
(CNN) 米ウィスコンシン州ウォキショー市の小学校に通う男児が新型コロナウイルスに感染したとして、母親が先週、ウォキショー学校区を相手取り、連邦裁判所に訴えを起こした。
母親のシャノン・ジェンセンさんは、学校区が米疾病対策センター(CDC)の指針に従うよう求めている。
米国では今のところ、12歳未満の子どもは新型コロナワクチン接種の対象外になっている。CDCは未接種の学童らを守るため、学校側にマスク義務化や人との距離確保、手洗い、検査、消毒、隔離などの対策を呼び掛けてきた。
法廷文書によると、ジェンセン家の3人の子どもたちが通う小学校では昨年度、マスク着用や検温、パーティションの設置、接触追跡などを実施していた。しかし学校区の方針として、この秋からの新年度はマスクを含む大半の規制を解除することが決定。ジャンセンさんはわが子に毎日マスクを着けさせたが、ほかの児童らは着けていなかった。
長男が先月、検査で陽性反応を示したため、ジャンセンさんは感染拡大を防ごうと子どもたち3人を全員隔離した。学校からは、長男が感染した時期に教室内の2人が陽性判定を受けていたと通知されたが、別の保護者から実際は4人いたとも聞いた。
ジャンセンさんは、学校側の対策不足と連絡の遅れが地域社会を危険にさらしたと訴えている。長男は陽性反応が出る前に地域や教会、カブスカウトの活動にも参加していた。「息子が感染者と濃厚接触したという連絡をもっと早く受ければ、感染をさらに広げるリスクは抑えられたはず」と、ジャンセンさんは主張している。
学校での感染対策をめぐっては、家庭から規制に抗議する声と、規制強化を求める声がそれぞれ上がり、全米各地で論争が起きている。