カンタス航空、コロナ禍救出便で最長距離記録 飛行時間も
(CNN) オーストラリアのカンタス航空は9日までに、新型コロナウイルス禍で外国に残留する同国民の救済策の一環として、南米アルゼンチンのブエノスアイレス発、豪州北部のダーウィン行きの特別機を出し、同社便としては最長距離の1万5020キロ(9333マイル)、飛行時間でも最長の17時間25分を記録したと発表した。
使用の機材は、米ボーイング社製の787―9型機。雄大な南極大陸を眼下に眺めながらの便ともなっていた。豪州国民107人を乗せて今月5日にアルゼンチンを出発して南方に航路を取り、南極大陸を横切って6日にダーウィンに到着した。
同社の直行の最長旅客便はこれまで、英ロンドンと豪州西部パースの間の路線で、距離は1万4498キロ、飛行時間は16時間45分だった。
機内の窓から南極大陸の景色を眺める乗客/From Qantas
新型コロナの影響で長距離便を実施した航空会社は他にもあり、フランス領ポリネシアのエア・タヒチヌイは今年3月、タヒチの政庁所在地パペーテから仏パリまで一気に飛行した。距離は9765マイルで、フライト時間は約16時間だった。
この路線は通常なら米ロサンゼルスを経由地としていたが、新型コロナ対策の税関通過の面倒な手続きを回避するため例外的な直行便としていた。
カンタス航空は以前、ロンドン、シドニー間で直行の「超長距離便」を飛ばしたこともある。飛行距離は1万1060マイル、所要時間は19時間19分だった。
人間がこれほどの長時間飛行で身体的な面などで耐えられるかを見極める特別運航便と位置づけられ、科学者や操縦士が乗り込んでいた。航空料金を支払った乗客がいなかったため、世界最長路線の新記録には認定されていなかった。