泳いで国境越えようとした女性死亡、メキシコ国籍の36人拘束 米国境警備局
(CNN) 米国とメキシコの国境を泳いで渡ろうとした女性が意識不明の状態で発見され、10月30日早朝、死亡が確認された。女性は米国への移民を目指すグループの一員だったと思われる。
米税関・国境警備局(CBP)の発表によると、29日深夜、メキシコ・ティフアナと米サンディエゴの国境を隔てる海上のフェンスを約70人が泳いで越えようとしているとの通報があった。
この集団の一員だったと思われる女性は、意識不明の状態で発見され、蘇生させることができなかった。遺体はサンディエゴの検視官が引き取った。
CBPは、泳いで国境を越えたメキシコ国籍の36人を拘束した。このうち13人は海上で米沿岸警備隊に救助されていた。36人は全員が国境警備隊の施設に連行された。
国境警備隊が発表した統計によると、2021会計年度(20年10月1日~21年9月30日)は米南部の国境で命を落とした移民の数が、これまでで最も多かった。
同年度の死者は557人に上り、20年度の254人、19年度の300人に比べて大幅に増加。過去30年の中でも突出して多かった。
ただ、国境で死亡した移民については州や自治体が遺体を回収して国境警備隊が関与しないケースもある。このため実際の死者の数はさらに多いと思われる。
国境警備隊によると、国境で命を落とす移民の死因は熱中症関連の症状が大部分を占める。米国を目指す途中で険しい地形に阻まれて道に迷うこともある。
死者の報告数が増えたのは、国境を越える移民が増えたことや、国境警備隊が司法当局と連携して身元確認などを行っていることによる。