母は殺され娘は行方不明に、家族は今日も探し続ける 米
「何者かがアリアナちゃんを欲しくなって、連れ去ったのだろう。あの子に夢中になり、自分のものにしようとした」(フィッツさん)
フィッツさんにとって、ニッキーさんの殺害とアリアナちゃんの失踪は関連していなければならない。そうでなければ、つじつまが合わないからだ。
ニッキーさんは、サンフランシスコのベスト・バイの店舗で遅番や早番のシフトに入っている間、オークランドのベビーシッターにアリアナちゃんを1晩預かってもらうことがあった。その際には、長時間の通勤に公共交通機関を利用していた。
ニッキーさんとアリアナちゃんが一緒にいるところを家族が最後に見たのは、2016年2月中旬のこと。ニッキーさんは、その年の4月初旬に行方不明になった。警察によると、ニッキーさんは 「ベビーシッターに会いに行くように」という電話に「誘い出された」という。
警察は当初、複数の手掛かりをつかんでいたが、アリアナちゃんに関連するものはなかった。ニッキーさんの殺人事件も、アリアナちゃんの失踪事件も、いまだに起訴に至っていない。5年経った今もなお、アリアナちゃんの手掛かりは見つかっていない。
テス・フィッツさんは5年以上にわたってアリアナちゃんの行方を捜している/Sara Sidner/CNN
アリアナちゃんの失踪はメディアでも取り上げられた。同事件は未解決で、サンフランシスコ警察は捜査を続けている。米連邦捜査局(FBI)はポッドキャストの中でアリアナちゃんを取り上げ、情報提供に対する報奨金も支払うとしている。
注目を集めるために戦わねばならない
ロビンソンさんもまた、何が起こったのか分からないという悲惨な状況下にある。地質学者だった息子のダニエルさんは、アリゾナ州バックアイ郊外の作業現場から失踪した。警察はダニエルさんを地上とヘリコプターで3回にわたり捜索したが見つからなかった。
公的な対応が不十分なことにいら立ちを覚えたロビンソンさんは、アリゾナ州に行き私立探偵を雇って自ら息子を探した。やがてロビンソンさんは、プティートさんの捜索に向けられていたようなメディアの注目を集めたいと訴え始めた。
ロビンソンさんは、息子は家族にとって大切な存在であるとして、「私たちにも同じように注目してもらいたい」と話している。
ロビンソンさんが息子の捜索活動を始めてから5カ月が経ち、証拠や手掛かりが見つかってきた。地元メディアが失踪に関する記事を掲載すると、一般市民からも捜索に協力したいとボランティアを名乗り出る声が上がった。