ロシアとの衝突リスクは「冷戦中より高い」、英軍トップが警告
(CNN) 英軍制服組トップのニック・カーター国防参謀長は14日放送の英タイムズ・ラジオとのインタビューで、ロシアと欧米の間で偶発的な衝突が起きる危険性は、東西冷戦時代のどの時期よりも高まっているとの認識を示した。
カーター氏はインタビューで「世界は10~15年前と比べてもはるかに競争が激しくなっている。国家間、強国間が競い合えばおのずと緊張が高まる。この緊張に注意する必要がある」と説明した。
また、世界はソ連と欧米の2極体制から米国による1極体制を経て、現在は多極化していると指摘。各国が異なる目的を掲げて競い合う状況では、緊張から衝突に発展するリスクが増大すると警告した。
各国の政治家らに無用の挑発を避けるよう呼び掛け、冷戦時代にあった伝統的な外交手段や仕組みが今はないため、事態がエスカレートした場合に誤算が起きる危険性は高いとも訴えた。
ロシアの隣国ベラルーシで移民がポーランド国境に殺到している問題をめぐっては、ロシアが関与していると思うかという質問に「分からない」と答える一方、「現在の環境下ではなにがあっても驚かない」と語った。
ロシアのプーチン大統領は13日、国営放送とのインタビューで、ベラルーシ移民の問題には一切関与していないと改めて主張した。